公園デビュー〜長男~


これは17年前のお話です。

 

《公園デビュー》

 

という言葉が頻繁に出始めた時代。

公園デビューに成功するためのノウハウが、子育て雑誌に目白押しでした。

 

ママの服装は清楚でかつスポーティ。

派手すぎず、でも小ぶりなアクセサリーでワンポイント。

 

公園デビューが成功したら、ママ友ランチはこんな風に演出しよう。

今でいうおうちカフェ的なレシピやおもてなし術が必須。

 

どちらかと言えば人見知りで引っ込み思案な私と、ひたすらママ!ママ!と後追い甚だしい、、、私同様引っ込み思案。

しかしながら、興味のあるものを見つけると一目散に走り出す目の話せない長男。

 

このペアが果たして公園デビューなんてできるのか?

できることなら、したくない。

でも、長男にお友達も作りたい。

毎日私と二人で遊んでいてもつまらないだろう。

小さいときから、協調性を養うことも大事だし。

 

公園デビューは避けられない。

 

初めての子育てで、何をどうしていいかわからなく、常に育児書通りに動いていた私は一歳すぎたら、公園デビューという文言を忠実に守らねば、と一人で悶々としていました。

 

仕方ない、大好きな長男のため。

私もママ友達を作りたいし。

ここは、勇気を出さなければ。

 

そして。

意を決して公園デビューをしようと長男と、《いざ!公園へ!》

当時住んでいた家から公園は、一歳の長男を歩かせても片道五分。

そこそこ広い公園で、遊具も充実していました。

 

公園に行くには、線路脇をひたすら通ります。

 

長男はとにかく電車が大好きで、電車の行き交う姿を何時間でも見ていられる子。

この線路脇の道は、電車見物で毎日歩いていました。

が、公園は行ったことがありません。

 

ドキドキしながら公園へ。

 

するとカンカンカンカン、、、踏切がおりる音。

 

《でんちゃ!!!》

 

長男は一目散に走り出し、電車見学。

 

まずい。

 

これはまた、2時間電車見学コースになってしまう。

 

今日は公園で遊ぼうよお友達がいっぱいいるよ、電車は公園終わったら見ようよ。

 

大人の身勝手な意見など、電車ボーイの耳に届く訳もなく、電車を見て、日が暮れて。

 

公園までたどり着かず。

 

次の日もまた次の日も歩いて5分の公園が、こんなにも遠いなんて。

 

だめだ。

これじゃいつまでたっても公園デビューが出来ない。

 

どうしよう。

仕方ない。

電車の線路脇を通らない公園に行こう。

ベビーカーに長男を乗せて5分。

長男を歩かせたら10分。

 

小さな公園で滑り台しかないけれど、なんとかなるはず。

 

仕切り直して別の公園へ、ベビーカーで。

 

公園デビュー、、、

 

したものの、人一人来ず。

長男は滑り台には興味なく、ベビーカーから降りず。

しまいにはでんちゃがいい!と泣き出す。

 

結局、いつもの線路脇の道で電車を見て終わる。

 

なぜ、どうして。

 

公園デビューはこんなに難しいのか??

 

そうこうしているうちに梅雨に入り、公園どころではなくなり、公園デビューは絶望的に。

 

長男も私も友達ができぬまま過ごすのか?

育児書によると、もう公園デビューはとっくに過ぎている時期に差し掛かるけれど大丈夫か?

 

またまた悶々として過ごすはめに。

 

そして梅雨が明け、真夏に。

とてもじゃないけれど、公園なんぞで遊べる気温ではない。

 

半ば公園デビューは諦めていた私は、近所のスーパーへ涼みがてら買い物に。

すると

《ちびっこ広場》という、室内で自由に遊べるスペースができていた。

大きなブロックと電車のオモチャがあり、長男は目がキラキラ!

一目散に走り出し、ブロックと電車の元へ。

 

よく周りを見てみると、同じくらいの月齢の男の子や女の子も個々にちびっこ広場で遊んでいました。

 

子供同士は特に交わりはないものの、それぞれが楽しそうに遊んでいて。

そのママ達とも、なんとなくたわいのない話をして過ごし。

なんだか凄く楽しくて、嬉しい時間でした。

 

また明日!

 

と名前も知らないママと、この場所で会う約束をして帰りました。

長男も、たくさんたくさん遊べて、普段しないお昼寝をぐっすり。

 

服装は清楚でかつスポーティ。

派手すぎず、でも小ぶりなアクセサリーでワンポイント。

 

とか、ママ友ランチやおうちカフェ的なレシピやおもてなし、そんなものは一切ありません。

 

公園デビューと言えるのかわからないけれど、地域のママやお子さんとふれあいが持てたデビューはちびっこ広場でした。

 

育児書とは全然違うけれどきっとこれが、公園デビュー。

 

気負わず自然体でいられる場所だったからこそ引っ込み思案な私たち親子でもデビューできたんだと思います。

 

公園デビュー気負わず自然体をお勧めします!

 

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